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ビートルズの秋、画家のポール 2000-11-07


今秋の一連のビートルマニア現象 - アンソロジー・ブックの出版、ビートルズ1のリリース、それに公式サイトの誕生 - のただ中にあって、ポール・マッカートニーはこっそり別の計画を立てている。だがそれは音楽に関係したことではない。

ポール・マッカートニーは画集「ポール・マッカートニー・ペインティングス」を出版し、ニューヨークのマシュー・マークス・ギャラリーで展覧会を行った。

ポールは18年前から絵画を描き始め、今日までにおおよそ500の作品を仕上げている。だが彼はこれまでその作品群を一般に発表するのはためらっていた。著名な画家たちの意見によっては「作品に価値を下げかねない」からだという。 しかしドイツのあるギャラリーのオーナーがポールを説きつけ、作品を発表するように仕向けたのだ。

ポールは絵描きと作曲の共通点と違いとを見つけ出す。「音楽は現在進行なものだと思うんだ。」と彼はいう。「言葉と音とコード進行とそれ以外のことも、ああやって同時に処理していくんだ。かなりはっきりしてるんだよ。絵画についていえば、歌を歌うように取り組む必要はない。そんなにいろんなことを考えなくてもいいんだと思うんだ。絵画と音楽が共通に持っているもの、それは『自由』だ。自分自身を自由にしていって、何者かに敗北していまうというような概念だ。」

画集の題材の多くが我々になじみのものである。亡くなったポールの妻リンダがポーズをとっているもの、ジョージ・ハリソンやエリック・クラプトンの妻であったパティのカラフルな抽象画などもある。ジョン・レノン、エルヴィス・コステロ、デヴィッド・ボウイ、それにポール・マッカートニー自身、これらの肖像もあるのだが、ポールによれば、もともとはこれらの人々を描くつもりで描き始めたのではない場合がほとんどだという。

「絵を描くときに実際顔が思い浮かぶこともある。そういうときはそれを描く。」と彼は説明している。「物が人みたいに思えてしかたないこともあるだろう?そういうふうに考える人は他にもいると思う。例えばエルヴィス・コステロについていえば、結果的にはああなったけど彼の絵を描こうとしたわけではない。でも描いてみると、ちょっとコステロに似てるなって思ったんだ。それで彼にその絵を見せて、コステロがそれを気に入ったのをおぼえてるよ。『なあ、ちょっと君に似てると思わないか?』とは言わなかったけど。」

英国のクイーン・エリザベスのユーモアに満ちた三部作の絵画もある。大英帝国の勲爵士にしてみれば大胆な試みだ。ポールはその作品がバッキンガム宮殿に掛けられることを見越しているのか?「素晴らしいことじゃないかな。」と彼はいう。「ロンドン塔に掛けられるかもしれないね。 ― ぼくが極刑に処せられたとしたら。」











 



 

 

 

 

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